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A Rumor of Angels 天使たちの声

アメリカ映画 (2000)

2000年台の初頭を代表するアメリカの子役トレヴァー・モーガン(Trevor Morgan)が、熱演し、最も特徴を出し切ったスピリチアルな映画。地域で疎外された人と親しい関係を築き、互いに感化を受けるという内容は、『小公子』に始まり、『顔のない天使』(1993)、『アーニャのベル』(1999)、『ビーグル犬シャイロ3/最終章』(2006)、『Little Boy(リトル・ボーイ)』(2015)とスタイルを変えてくり返されてきたテーマ。この映画では、名女優ヴァネッサ・レッドグレイヴが実年齢以上の老婆マディに扮して、トレヴァーが演じる12歳のジェイムズ少年との間に不思議な友情を築き上げる。2年前に母を事故で亡くして以来、事件が起きる度に記憶喪失になってしまうジェイムズ、20年以上も前にベトナム戦争で息子を失い、息子からの魂の通信を作り上げて自分を慰めてきたマディ。2人が最悪の状態で出会い、惹かれ合っていく姿は感動的だ。

ジェイムズは、島の子供たちの間で不気味だと言われているマディの家に、夜中に偵察遊びに出かける。しかし、マディにライフルで威嚇射撃され、逃げる際に木の塀を壊してしまう。翌朝、ジェイムズの家にやって来て、壊した本人に修理させるよう要求するマディ。一方のジェイムズは、2年前に母を亡くし、父が自分に相談もなくすぐに再婚したことに腹を立て、再婚相手を「まま母」呼ばわりし、いつも嫌っている。ジェイムズは、仕方なく柵の修理に出向くが、義母の「やらせ的な優しさ」にはない「一徹な厳しさ」に何となく惹かれる。そして、マディの家に修理で何度も出向くうち、ジェイムズは、そこで彼女が、かつて死んだ息子と交信した日誌と出会う。これは、悲しみを乗り越えるためにマディが創作したものだったが、ジェイムズにとっては亡くした母と交信できる可能性を示唆したものだった。日誌の存在を知り、マディとの接触を断つよう命じる父と義母に強く反抗するジェイムズ。その直後に起こるマディの心臓発作。マディを無二の親友だと感じているジェイムズは、父と激しく口論して、マディの看病にあたる。その行為の中で、ジェイムズの心は癒され、マディは「天使たちの声」を聞きながら静かに死んでいく。そして、死後2週間して、ジェイムズに届けられたものは…

トレヴァー・モーガンは、賞こそ取っていないが演技力は抜群で、正統派ではないがハンサムな少年だ。この映画では、父と口論するシーン、マディとの別れのシーンに、その優れた演技力が遺憾なく発揮されている。また、顔の微妙な表情の変化も、この映画での見所となっている。唯一気に入らないのは、映画製作者のトレヴァーに対する取り扱い。ストーリーの上では、完全な主役なのに、題名が出る前の主役3人の中に彼の名前はなく、題名が出た後の脇役の最後に、「with」で名前が出され、その後に「and」の俳優もいる。これでは、トレヴァーにあまりに失礼ではないかと思う。


あらすじ

ジェイムズが夜、兵隊ごっこをして遊んでいる。軍事作戦で、接近していく先は、海辺の丘の上に建つマディの住む一軒家。潅木の陰に隠れ、「我々の位置がバレた。赤外線だ」と言いつつ、木の柵を辺りを見回して乗り越える(1枚目の写真)。しかし、次の茂みに到した時、そこにはライフルを手にしたマディがいて、「来なさい」と命じる。捕まるまいと、逃げるジェイムズ。マディは威嚇射撃をして(2枚目の写真)、「止まりなさい!」と叫ぶが、撃たれると信じ込んだジェイムズは、柵に気付かず板を割って転倒(3枚目の写真)。その後の銃撃にも頭をすくめて必死で逃げる。停めておいた自転車に乗ると、帰宅途中、「入ってはいけない」脇道へと入る。橋の手前の通行止めのサインまで来た時、ジェイムズを襲う過去の辛い思い出。そこに変わり者の叔父のチャーリーが心配して車で捜しにくる。呆然としているジェイムズを見て、「怯えてるのか?」(4枚目の写真)。車に載せて、「一体どうした?」と訊くが、「思い出せない」。「何時に、帰宅するかも、覚えてないのか? お前は、1時間半も遅れてる」。「パパに 言わないで」(5枚目の写真)。「パパの留守中、ずっと こんなザマじゃないか」。そして、その姿を森の陰から見ていた人物がいた。例のマディだ。ここまでが映画の冒頭シーン。いきなりだが、この冒頭シーンには、多くの疑問点のあることを指摘しておきたい。ジェイムズがマディの家に戦争ごっこで行った理由が分からないのは許すとしても、①なぜマディがライフルまで構えて、夜中に家の外で待ち構えていたのか? ②ジェイムズは家に帰る途中で、普段は避けて通る脇道にわざと入って行き、過去のトラウマから一時的記憶喪失状態になるが、なぜそんな所に入って行ったのか? ③チャーリーは、ジェイムズのいる場所(もっともいそうにない場所)がなぜ分かったのか? ④マディはなぜ、そして、どうやってジェイムズの後を追い、脇道の奥まで行けたのか? ⑤次のシーンとも絡むが、マディは翌朝ジェイムズの自転車を見つけて柵を壊した犯人だと断定するが、暗くて遠いのに、どうやって識別できたのか? 以上5点。映画の冒頭にシナリオの不備があるのはよろしくない。
  
  
  
  
  

朝、ジェイムズと叔父のチャーリーが寝ていると、玄関をドンドンと叩く音がする。「ジェイムズ、出ろ」。ジェイムズが2階の窓から覗くと、マディがこっちを見上げている(1枚目の写真)。すばやく顔を引っ込めるジェイムズ。彼は、昨夜撃たれたので、怖くて動けない。さらにドンドン叩く音に、叔父からは「ジェイムズ、何とかしろ!」。しかし、返事がないので、仕方なく「朝っぱらから…」とドアを開けると、マディが自転車を抱え上げ、「この自転車の持ち主の子は どこ?」と訊く。叔父に「今すぐ、降りて来い!」と言われたジェイムズは、恐る恐る階段を降りて来る。顔を見たマディは「この子だわ。わが家の柵を壊した子よ」。叔父にそうかと訊かれ、頷くジェイムズ。叔父は自分が直すと言うが、マディは、「あんたが、壊したんじゃない。何か 言うことがあるでしょ、お若いの」と質す。最初は怖くて声にならなかったが、2回目で「ごめんなさい」と謝るジェイムズ(2枚目の写真)。「いつ柵を直しに来るの?」。叔父:「2人で、すぐ やるから」。「彼が壊したんだから、本人に直して欲しいわね」。マディが帰った後で、「銃を持ってた。僕を撃ったんだ」と話すジェイムズ。「思い出せないんじゃなかったのか?」。「怖かったから、記憶が消えたんだ」。
  
  

面倒見のいい叔父は、さっそくジェイムズと現地に車で向かう。壊れた柵を見て、「犯行現場か。やってくれたな。いったいどうやって折ったんだ?」。「腕で」。「ちょっと見せてみろ」。そして、変色している部分をつつく。痛さのあまり思わず叫ぶジェイムズ(1枚目の写真)。「痛いじゃないか!」。それには構わず、ジェイムズを一方の端に立たせ、メジャーで折れた板の長さを測る叔父。そして、「材木を買ってくる。お前は、周りを片付けておけ」と出かけようとする。「僕を、あの人と置いてくの?」。「そうだ」。「銃を持ってるから撃たれちゃう」。「それで、命中したか?」、「ううん」。「じゃあ、何を騒ぐことがある? いい刺激じゃないか」。今のアメリカ社会と違い、ピリピリしていない。この叔父のキャラクターはなかなかいい。木材が届けられ、ジェイムズが1人で、頼りなげに柵を直そうとしていると、見かねたマディが手を出そうとする。「僕一人で ちゃんとできるから」。「だけど、任しとけない」。そして、金槌を見せ、「これ、使ったことある?」と訊く(2枚目の写真)。「ううん」。そこで、マディはジェイムズに釘を持たせ、「木に当てて」(3枚目の写真)。「もっと高く。手に注意して。動かないで」と言い、釘を打ち込もうとするが、ジェイムズが目を閉じてしまい、手が動いたため、金槌が指を叩く。悲鳴を上げるジェイムズ。「動くからよ」。「ひどい!」。「この、ボンクラ!」。「僕の指を叩いた!」。1本の釘では足りないので、2本目を打つ必要がある。「反対の手を使って」。「いやだ!」。「この、弱虫!」。今度は、釘を打つ時ジェイムズが目を開けているよう命じて、無事に打てた。マディは、「君の、両親は?」と訊く。「パパは、ボストンで仕事」。「ママも?」。「まま母なんだ」。ジェイムズは2年前の交通事故で母を亡くしていた。事故の起きた場所は、昨夜記憶を亡くした橋の所。車には幼いジェイムズも一緒に乗っていて、母が死ぬのを見取ったのだ。それが、ジェイムズにとって大きなトラウマとなり、激しい心理的不安に陥ると一時的に記憶喪失状態になる。
  
  
  

途中で作業を中断して家に戻ったジェイムズは、朝食を食べながら、叔父から「どうした?  金槌で、叩いたのか?」と訊かれ、「あいつに、やられた」と指を見せる(1枚目の写真)。それに対し、叔父は、「そりゃ、いい」。「ほんとに、やられたんだ」。「いい体験だ」。子供の意見に同調して相手に対する批判に加わらない点がいい。反対に、「やめたわけじゃ、ないよな?」と釘を刺す。「やめるって?」。「柵の修理」。その時、義母が口を出す。「パパは、あなたの責任だってよ、ジミー」。「ジェイムズだ。それに、もう行かない」。「やりたくなくても、義務は果たすものなの。助けてあげるわ」。「そんなの お断りだ」。「何だ、その言い草は」。叔父に対して「ごめん」と言って出て行くジェイムズ。向かった先はマディの家。そこには誰もいない。小型のモーターボートで買い物に出かけたのだ。マディを捜しに家の中に入っていくジェイムズ。ピアノの脇に置いてある写真に目を留める。子供の古い写真だ(2枚目の写真)。子供部屋に入ると、そこには、モールス符号を打つための電鍵があり、窓辺には回光通信機も置かれていた。昔、艦艇間での連絡用に用いた軍用通信機で、シャッターを開閉操作することで光を明滅させ、モールス符号を伝達する装置だ。もの珍しげにシャッターを動かしていると、そこにマディが現れる(3枚目の写真)。帰宅した時モールス発信音を聞いたマディは、ジェイムズがいるとは思ってもみないので、自分の息子が帰ってきたと錯乱し、後姿のジェイムズの頭を「ボビー?」と言いながら触ってしまう。逃げ出すジェイムズ。しかし、不思議とマディからは叱られなかった。
  
  
  

翌日ジェイムズは、柵を直しに行った時に、「ボビーって 誰?」と訊いてみる。「息子よ」(1枚目の写真)。「近くに住んでるの?」。「死んだわ」。しばらくして、義母が見に来る。その姿を見て思わず「くそっ」と悪態をつくジェイムズ。マディ:「何か、言った?」。聞こえていて、間接的にたしなめるところがいい。ジェイムズ:「別に」。義母:「メアリーです。チャールズから 聞きました。お詫びを言いたくて」。「でも、なぜ、あなたが?」とマディもそっけない。マディと話すのはやめて、息子に矛先を向ける義母。「今朝は、早かったわね。あなたのパパと、私の考えだけど、3人でフェリーに乗って島の外で週末を過ごしたら、きっと楽しいわよ」。ジェイムズは、「できない」と義母を睨みながら拒絶する(2枚目の写真)。ここでマディが救いの手を差し伸べる。「ジェイムズを、柵のペンキ塗りに雇ったの」。ジェイムズの顔を見ながら「でしょ?」と訊くと、ジェイムズも渡りに船と、「うん」と答える(3枚目の写真)。ジェイムズ:「柵に、ペンキを塗らないと」。義母:「まず、パパと 相談すべきだったとは思わない?」。「別に」。義母が帰ると、マディがおもむろに「2ドル」と言う。「何が?」。「アルバイト代。1時間2ドル払うわ」。200円強。すごく安いバイト料だ。ジェイムズは、「どうして思うの? 僕が、バカな柵に、ペンキを塗りたがってると」と生意気な口をきく。「これ以上、そんな調子で話すと、ブツわよ。それに何なの、ママに対する、あの口のきき方」。「ママ なんかじゃない」。「今は、そうよ」。「僕を、ブツことすらしないんだ」。すかさず、ジェイムズの頬を叩くマディ。「さあ、どうする?」と訊かれ、「ごめんなさい」と答えたものの、家に帰る自転車では、「後ろから殴るべきだった。暴力魔女め」とブツクサ。
  
  
  

昼にジェイムズが柵まで行くと、マディが待っている。「もう、12時を6分過ぎてる。時間厳守を拒むなら、支払いも拒むわよ」。不平不満がありそうな様子に、「何なの?」と訊くマディ(1枚目の写真)。「こんな大仕事、他に誰がする? わずか1時間2ドルで」。値上げ交渉かとうんざりしたマディは、「2ドル20セントなら遅刻しない?」と1割アップを提言。ジェイムズはケチさ加減に「多分ね」とあきらめる。「大きな声で」と言われ。「はい」(2枚目の写真)。マディの命令:「板は 真っ直ぐに。下生えは刈る。海岸の小屋に行くから、戻るまでにね」。柵は荒れ放題なので大仕事だ(3枚目の写真)。一方、ジェイムズの家には久しぶりに父が帰って来ていた。義弟にあたるチャーリーが、「最近、ジェイムズと話した?」と訊く。「なぜ、何か やったのか?」。「何もしてない。それって心配じゃないか?」。「なぜ そんなこと訊く、チャーリー?」。「どうして、息子と話してやらない? 今 12歳。2年で麻薬だぞ。もし、理解してやろうとしないなら、あの子を失うぞ」。そして、最後にこう付け加える。「彼は、姉の子でもある。ネジを巻いたり尻を蹴飛ばすのが、俺の仕事だ」。「さぞや、楽しいだろうな?」。「生きがいなのさ。くすぶってちゃ、ボケるだろ」。
  
  
  

マディが戻ってくると、修理した柵の前で、自慢そうにジェイムズが立っている(1枚目の写真)。マディは「やりがいのある仕事は、達成感もあるでしょ」と間接的に褒める。ジェイムズは、直した柵に沿って走ると、振り向いて「その髪、好きだよ」と笑いかける(2枚目の写真)。「小屋に、板が2枚あるのを見つけてね、こう思ったんだ。『これで行ける』」。荒れ放題だった柵は見事に真っ直ぐになっている(3枚目の写真)
  
  
  

マディが、柵を点検し、ジェイムズに頷いて家に入ってしまったので、家に帰ろうとすると、窓が開き、モーツアルトの交響曲第39番第3楽章が大音響で聴こえてくる。そして、ペンキと刷毛を2本持ったマディが「さあ!  ペンキよ!」と言いながら踊るように出てくる。そして、曲に合わせて指揮するように刷毛を空中で振る。ジェイムズにも1本投げ、「来て、塗るのよ!」と誘う。最初は、タダ塗っていて、「聴いてないわね」と言われる。「何を?」(1枚目の写真)。「音楽よ。リズムに ぜんぜん合ってない」。「気が付かなかった」。「そうだと思った」。それからのジェイムズは、音楽と合わせてマディと仲良く刷毛を使うようになっていく(2枚目の写真)。2人の間に初めて心が通い合った一瞬だ。
  
  

浜辺でマディとジェイムズが座って貝を料理している。「どうして、真水を 使わないの?」。「海水が一番。塩気があるでしょ」(1枚目の写真)。「まだ、開かないね」。「もうじき」。そして、話はボビーのことになり、マディが「戦争で殺された」と言うと、ジェイムズは「ママも殺されたんだ」と話す(2枚目の写真)。寂しそうな顔のジェイムズを見たマディは、「ママと 話したことは?」と訊く。「僕のママと?」。「ええ」。「まさか、死んだんだ」。「だから?」。「だから、話してないよ」。貝を食べ終わった後、マディはジェイムズを近くの砂浜に連れて行く。そして、竿を置いた場所を「私達はここ」と示し、「もし、目を使えば、遠くまで見える」と、竿で砂に小さな円を描く。次に、「もし、最新技術を使えば、もっと遠くまで見える」と、外側に円を描き続ける。そして、「もし、感情と思考を使えば、素晴らしいものまで見聞きすることができる」と螺旋をどんどん外側に広げていく。「モーツアルトは、『天使たちの声』を聞いた。天使たちは、どこにでもいる、あそこにも…」(3枚目の写真)。そして、ジェイムズの胸に手を当て、「ここにも」。映画の題名が使われる重要な場面だ。「声を聞いたことは?」。「あるわ」。
  
  
  

一方、家では、父と義母が話し合っている。マディのことを信用していない義母に対し、父は、「彼は、信じてくれる友と出会ったんだ。リリアンが死んで以来のことだ。取り上げるようなことはしない。誰にでも変わった所はある。小さな町では変人だ」と庇う。ジェイムズは、帰宅後、父とバックギャモンをして遊んでいる。「いつも留守がちで、ほんとに悪いと思ってる。今、仕事が山積みでな」。「いいよパパ。忙しいもんね」。「チャーリーが例の話をしてくれた。ママが死んで、最初の登校日を覚えてるな。叔母さんの家に着いてから、何が起こった?」。「記憶喪失」(1枚目の写真)。「何も覚えてない。ほんとだよ」。「それが2年前だ。カウンセラーが効いて、消えたハズだよな? 違うのか?」。ここで父に電話がかかってくる。重要な話をしているのに、父は「片付けたら、すぐ戻ってくるから」と言って座を立ったのに、結局電話にかかりきりで、話し相手に「ジェイムズと話してるだけだ」と終わる気配がない。これには、ジェイムズも呆れて席を立つ。そんなジェイムズに、話を横で聞いていた叔父が、「おい、前にも、同じことがあったなんて、初耳だぞ」と話しかける(2枚目の写真)。「もう、お前のことは、信じられない」。「構わないさ」。こうして、ジェイムズの心は、どんどんマディへと傾いていく。
  
  

ジェイムズは、マディに「僕、モールス信号の本 読んだよ」と話しかける。電鍵で符号を打ってみせるマディ。思わず身を乗り出して「それ、何なの?」と訊くジェイムズ。「モールス。今、何回、打った?」。「4回?」。「長い、短かい?」。「分からない」。マディは耳でなく心で感じろと教える。そして、「目を閉じて」と言い、4回押す。ジェイムズ:「短かい、長い、長い、長い」。マディ:「Jよ」。次に2回(トン・ツー)。「2つ。Aだ」。そして、2つ長音。「M。ジェイムズだ」。「直観的に、予想する。いつも、予想なさい」。この遊びに夢中になるジェイムズ。「MAD」と打ち、「MAD?  誰が気違いなの?」。「あなただよ」。「こら!」とふざける余裕も。暗くなると、今度は外に出て、マディが懐中電灯の点滅で合図した信号を読み取る練習(2枚目の写真)。「IN・SP… INSPIRATIONだ」。翌朝、ベランダのブランコに座っているジェイムズに、父が「柵の方は、どうなった?」と訊く。「何日も前に終わったよ」。「じゃあ、マディとは何を話してるんだ?」。「さあね。いろいろさ」。「例えば?」。「自然、死、物理、ソロー」〔ソローは超絶主義者〕。「ソロー?」。「うん。知ってるの?」(3枚目の写真)。「聞いたことがある程度だ」。「彼女、変わってるけど、面白いんだ」。
  
  
  

遠くの岩場に行かされ、回光通信機を使って本格的なモールス通信は始めたマディ(1枚目の写真)。長い文章を必死でノートに書きとめ、正しいかどうか確かめている(2枚目の写真)。その内容は、とても奇妙なものだった。「魂は体を離れる。生徒が学校のドアから飛び出るように。突然、喜びとともに」。あまりの異常さに、家に戻ると「一体、何のことなの?」と話しかけるが、立ち上がったマディの異様な様子に「魔女なんだ」と一歩退く(3枚目の写真)。マディは、ジェイムズに向かって話し始める。「1974年9月15日の夜、私は あの岩に座っていた。突然、通信機が点滅を始めた。ボビーはベトナムのはず。でも、私は駆け戻って部屋に飛び込んだ。戻ったのかと思って。光は消え、信号灯は プラグが抜かれていた。触ったけど、冷たかった」。その日、通信機が綴った言葉が、先程ジェイムスに送ったものだった。「1週間後、この電報が届いたわ」。電報を読むジェイムズ(4枚目の写真)。それは、9月15日にマディの息子テレンス・ベネット上級衛生兵が戦闘中に死亡したという弔電だった。
  
  
  
  

翌日、迎えに来たマディと一緒に自転車で出かけるジェイムズ。マディは、「入ってはいけない」脇道へと入って行く。仕方なく付いていくジェイムズ。橋の手前の通行止めのサインを見て、うなだれて目を閉じるジェイムズ(1枚目の写真)。ジェイムズの頭の中では、2年前の事故がフラッシュバックのように蘇ってくる。マディは、そんなジェイムズに「目を開けるの」と呼びかける。「ダメ」。「開けなさい」。「できない、できないよ!」。「見なきゃダメ」。「開けたくないんだ!」。「私を信じて。見るのよ。見ても害はないの。約束するわ。さあ、目を開けて」(2枚目の写真)。「ジェイムズ、何が見える?」。「アライグマ」。「そのまま、話し続けるのよ」。「パパは、動物は大切じゃないって言ってた。ママは、大切だと思ってた。だから、避けようとしたんだ」。その結果、母とジェイムズを乗せた車はガードレールにぶつかり一回転して大破。道路に投げ出された母にジェイムズは駆け寄るが、応答がない(3枚目の写真)。「僕は無事だって言い続けた。でも、聞こえなかった。通じなかった」。「通じてたわよ。私の息子のことは、知ってるわね? 彼は、こう言った。いつか、私は、傷心の少年を抱きしめると。その子は、ママのことで泣いている。そして、私には慰められない」。まさに、今と同じ状況だ。マディはさらに、その時、「私に任せて」という声が聞こえたが、それがジェイムズの母だったに違いないと話す(4枚目の写真)。
  
  
  
  

2人は、橋の下の河原に降りて話している。「なぜ、ここに来ることにしたの?」。「柵を壊した夜に、橋にいる君を見たから。深い悲しみを感じたの」。そして、モールス信号を知っていたのは偶然で、知らなかったとしても、「別の伝達方法もある」と話す。「モーツアルトと、天使たちのように」。「でも、どうして僕には、聞こえないの?」。「多分、悲しみに 心を閉ざしていたから」。そして、「これを 読んで欲しいの」と一冊の日誌を渡す(1枚目の写真)。この瞬間のトレヴァー・モーガンの表情がとてもいい。家に持ち帰ったジェイムズは夜、寝室に入ると早速読み始めた。それは、マディの日記で、中には、死んだ息子がモールス符号で送り届けたメッセージも一緒に書かれている。「2つ目の伝言。1974年9月22日。電報が届いた日。岩に座っていると信号が送られてきた。『僕は生きてるし、母さんを愛してる。僕の体は、他の何千人と一緒にサイゴン近郊にある……信仰する能力は、体験により格段に広がる。もし、僕がいると心に決めてくれれば、幽霊じゃなく、僕は、以前と同じように実在する』(2枚目の写真)。そこまで読んで、日誌を脇に置き、亡き母の写真を胸に抱いて寝るジェイムズ。ジェイムズは、マディのように、母と話せるようになりたいと心から願ったのだ。
  
  

ジェイムズの様子を見に来た義母は、置いてあった日誌に気付き、それを朝までかかって全部読んでしまう。倫理的に許されない行為だ。そして、朝起きてきた夫に「それ、何だ?」と訊かれ、「ベネットさんの息子のボビーからの、死後の伝言集よ」と答える。父母はさっそく、日誌を持ってマディの家を訪れる。義母は、「これ、あなたのね」と日誌を返す。父は、「これ以上、ジェイムズと付き合って欲しくない。12歳の子に、こんな本を渡すなんて」(1枚目の写真)。「私のしたことの、どこが悪いの?」。義母:「お母さんの死に馴染めない繊細な子なのよ、ベネットさん。よく、あんな本を渡すなんて、できますね?」。「彼に、理解させるためよ」。父:「理解って、何を? あんたの作り話をかい、マディ?」。「死に恐怖などない。それを、早く理解させるほど、ジェイムズは早く立ち直れる」。「わが子は、傷つけさせん」。「傷つけてないわ」。「これは、危険だ。分からないか? 息子さんの死をどう正当化しようが、あんたの自由だ。だが、ジェイムズのような繊細な子に、夢物語を吹き込ませたくない」。「彼には、誰かが話してあげないと」。しかし、父の決定は、「ここには、来させない」。日誌がなくなったことに動転するジェイムズは、車で帰ってきた2人に、「僕の本は?」と訊く。「返してきたわ」。「僕への、プレゼントなのに! ひどいじゃないか!」。「ジェイムズ、やめろ。もう、マディと会うのは禁止だ。中に入れ」。ここで、義母も「いらっしゃい、ジェイムズ、中に入って…」と言うが、怒ったジェイムズは「ママじゃないんだぞ! でしゃばるな!」と捨て台詞を残し、雨の中を自転車でマディの家に向かう(2枚目の写真)。やって来たジェイムズに、マディは「行きなさい。ここには、来て欲しくないの」と言う。「なぜ?  メアリーのせい?」〔メアリーは義母〕。「いいえ。あれは、本当に起きた話じゃないから」。「違う。メアリーに、言わされてるんだ!」。「違うの。聞きなさい。ボビーの死後、心の中で話してきた。それを、本に書いたのよ」。「伝言のこと?」。「私が創作したの」。「嘘をついてたの?」。「ええ、そうよ」。この言葉に、ジェイムズは雨の中で呆然と立ちつくす(3枚目の写真)。
  
  
  

一方、飛び出ていった息子を、父は心配して探し廻る。父がマディの家に来た時は、2人ともいなくなった後だった。ジェイムズはいつもの岩の上へ。マディは海岸に釣りに。しかし、そのマディが心臓発作で海岸で倒れてしまう(1枚目の写真)。そして、いつも岩の上からそれに気付いたジェイムズは、海岸まで走って行き、「ねえ、マディ!  僕の声、聞こえるだろ! 起きて、マディ!  起きてよ! 僕のためにも、死なないで!」と必死に呼びかける(2枚目の写真)。その2人に、遠くから気付いた父も駆けつけ、ジェイムズを医者を呼びに走らせる。父は、医者と一緒にマディを家に運び込み、「状態が安定するまで ここにいてから、帰る」と義母に電話で知らせる。義母の弟にあたるチャーリーは、「メアリー、あんたに落ち度はないんだから」と慰めつつ、「これだけは、言っておきたい。俺は変人で、マディも変人。俺たちみたいな人間は多くない。でも、ジェイムズは、俺たちが好きだった。それは『彼らしさ』を認めてきたからだ。分かるか? 悲しみとか… 彼を、軽くあしらうなんてことは、なかった」。「私は、失格?」。「まあ、そうだな」。叔父の面目躍如のシーンだ。ジェイムズは、夜遅くまで心配そうにマディの様子を見ている(3枚目の写真)。
  
  
  

朝5時に起きてマディの様子をみるジェイムズ。本気度が分かる。父が起きた時には、マディ用に紅茶の用意もしている(1枚目の写真)。朝まで様子を見て「もう十分だ」と感じた父は、「ジェイムズ、来るんだ。行くぞ」と呼びかける。ジェイムズは、目が覚めたマディに、「マディ、あなたを見つけた時、記憶喪失しなかった。助かるよう、祈ってた間もだよ。何て言われても、気にしない。僕は信じてる」と話しかける(2枚目の写真)。そして、父に、「分かってるよ、パパ。全部、嘘だと聞いた。でも、僕の一番の友達が死にかけてるんだ」と頼む(3枚目の写真)。こういう頼み方をされて、断るようなら親ではない。父も、「パパは、デトロイトに行く。帰ってくる前に、家に戻ること。できるか?」。さらに、「数時間ごとに電話しろ。安否確認のためだ」。これでようやくお許しが出る。
  
  
  

夜になると、ジェイムズは回光通信機を使って、空に向かってモールス信号を送った。「リリアン・ニューバウアー宛て、通信。ベネット宅にいる 息子に、連絡されたし」(1枚目の写真)。亡き母への送信だ。マディにいくら嘘だと言われても、心の底では「言わされているんだ」という思いが抜けていない。それに、もし可能だったら、母と話してみたいと期待しているのだ。しばらくすると海岸に明かりが見えてチラチラする。「TREM、WER-KA…」と意味不明だが、勇んで飛んでいくと、それは叔父の焚火だった。がっかりして「何だよ!  叔父さんだったのか!」。「降りて来いよ、ビールがある」。「ねえ、まだ僕を信じてないの? パパに、頼まれたんだろ?」(2枚目の写真)。「お前、俺を、本気で怒らせるつもりか?」。「そうさ」。「いつも、自分中心に考えるな。誰も、ついて来なくなるぞ。マディが無事なら、結構。俺の、楽しみの邪魔するな」。叔父は、家に戻って行くジェイムスに声をかける。「おい、どあほ!」。「何だい?」。「必要な時は、叫べ」。「叫ばないよ」。今度は、ジェイムズが声をかける。「ねえ、酔っ払い」。「何だ?」。「必要な時は、叫んで」。「ありがたいこって」。「どう致しまして」(3枚目の写真)。実にいいコンビだ。
  
  
  

自宅まで、着る物を取りに戻ったジェイムズに義母が専横的に命じる。「ジェイムズ。説明するまで、出しませんよ」。「言うことは、何もない! あんたのせいで、こうなった」。「そうかも しれないけど、訊きたいのは、これから どう…」と言いかけ、荷物詰めをやめないので、つい「荷物を置きなさい!」と怒鳴る。当然、ジェイムズも頭に来る。「黙れ。僕に 構うな!」と怒鳴り返す(1枚目の写真)。「その 口のきき方には、もう うんざり! パパが戻るまで、家にいなさい!」。「ほざいてろ! ママじゃないんだ! 初めから、欲しくなんかなかった!」(2枚目の写真)。決定的な一言だ。義母も、これでは、もう何も言えない。マディの家に戻ったジェイムズは、聖典と化した日誌を読み続ける。そして、可能性を信じて、母への通信をモールス符号にする。「リリアン・ニューバウアー様。早く、会いたいです。愛しています。口では とても言えないくらい。終了」(3枚目の写真)。そして、伝言を回光通信機で送る。
  
  
  

デトロイトから帰っても息子が帰宅していないことを知った父が、怒り心頭でマディの家にやって来て、ジェイムズを外に呼び出す。「嘘ついたな。帰宅までに、家に戻ると約束した。なのに、ここに移り住んでる。それに、家出の件でメアリーと口論したな。荷物をまとめろ。すぐ帰る」。「僕、どこにも行かない」。「口応えするな!  荷物を持って、帰宅だ」。「『取り上げない』って、メアリーに言っただろ!」。「私の間違いで、メアリーが正しかった」。「悪いのは、みんな、あの女なんだ!」。「お前は、全然分かっちゃいない!」(1枚目の写真)。「パパこそ、全然、分かってない!」。「彼女は、お前を愛してる!」。「そんなこと、知ったことか!」。「家族の一員になろうと、最善を尽くしてる!」。「そうかい?  じゃあ、やり過ぎなんだ!」。「お前には、誰かが必要なんだ。私のように」。「僕たち2人だけで、十分だ! ママが欲しいかって、訊いた? 代わりに、『これが、新しいママだ』!」。「お前は、何も 分かっちゃいない!」。「分かってるさ!  パパに、家にいて欲しいんだ! ママのことを、話したいんだ! 一度も、ママのこと、話さないじゃないか! 何が起こったかも、話してくれない! 僕、そこに いたんだ!」(2枚目の写真)。ここから、ジェイムズの迫真の演技が始まる。「ママは、僕に抱かれながら死んだ! 一度でも聴いてくれた?  その気持ち!」(3枚目の写真)。「マディには、何でも話すことができた! 道路で、記憶喪失になった! 話そうとしても、聴いてくれなかった! マディは、あの橋の所で、僕の話を真剣に、心を込めて聞いてくれた! ママが死んだ夜、パパ 部屋で泣いてたよね。あの時、『愛してる』って一度も言わなかった。知ってる、パパ?  僕も、言えなかったんだ!」。歴代の子役の演技の中でも最も見事なものの一つだ。
  
  
  

自分の過ちに気付いた父は、「本当に、悪かった」と謝罪する。そして、ジェイムズに「ママがいなくて、寂しい?」と訊かれ(1枚目の写真)、「とても、ひどく」と答える。「僕もだよ」。ジェイムズはマディの家に戻り、一方、父の車の横に義母の車が横付けになる。義母は、先程の言い争いに反省し、ジェイムズ下着類を持参したのだ。マディの家を出る際、父はジェイムズに「お前を、愛してる」と言い、ジェイムズも「僕もだよ、パパ」と答える(2枚目の写真)。
  
  

ジェイムズは、マディが寝ているので日誌を最後まで読み終わると、手近に置いてあった電鍵を打ってみる。モールス符号は、もう手馴れたものだ。すると、返信がある。びっくりして振り向くとマディが電鍵を打っている(1枚目の写真)。何を打ち合ったのは分からないが、マディからの返事に笑い転げるジェイムズ(2枚目の写真)。彼の性格の変化にマディが大きく貢献したことが分かる。また、マディにそれができたのは、隠遁生活に孫のようなジェイムズが加わり、生きがいを再発見したからである。お互いが、お互いを救ったのだ。
  
  

ジェイムズが寝ていると、マディの呼び声が聞こえる。「どうかしたの?」と駆け付けると、何とマディがベッドから起き上がって服を着ている。「ああ、お腹が空いた」。「何してるの?」。「靴を探してちょうだい。下に、降りて行きたいの」。ジェイムズは、心配して、「やめた方が、いいんじゃない?」(1枚目の写真)と留めるが、「この部屋に、永遠に閉じ込めたいの?」と言われてしまう。そして、あちこちつかまって1階まで降りて行き、頭から冷たい水を被って「タオルよ、タオル!」と叫ぶ。それで少しくたびれたのか、暖炉の横に座って休む。「暖か過ぎない?」。「ちょうどいいわ」。そして、「ボビーの本を、読んでもらえる?」と頼む。「いいよ」。ジェイムズは、一旦部屋を出ると、また戻ってきて、「愛してるよ」と告げる(2枚目の写真)。マディも「愛してるわ」と答える。ジェイムズ:「言えないんじゃないかと、心配してた」。
  
  
  

ジェイムズは、「真実じゃないのなら、なぜ、読んで欲しいの?」と訊く。「美しいからよ」。「そうだね。書くの上手なんだもん」。ジェイムズは日誌の終わりの方を読んでいる。「『僕は忙しく、なかなか話せない。あなたが、聞きたいと望んでいるのに。僕は、たとえどこに いようとも、あなたを見ている』」。その時、マディが突然、「聞こえる?」と訊く。「とても、美しい声よ」。ジェイムズには聞こえなので、半分にこやかな、半分戸惑った顔をするしかない(1枚目の写真)。マディは、その美しい声を聞いた喜びに満ちた顔のまま、この世を去った(2枚目の写真)。ジェイムズは日誌の続きを読み続けるが、顔を起こしてマディの表情に気付くと、「マディ?」と声をかける。返事がないので心配そうに近付いていく(3枚目の写真)。そして、死を悟ると、最初にマディから送られた送信の言葉、「魂は体を離れる。生徒が学校のドアから飛び出るように。突然、喜びとともに」を暗唱し(4枚目の写真)、最後に、「ボビーに よろしく。ママにも」と付け加える。ここでの演技も感動的だ。
  
  
  
  

マディが死んで2週間、ジェイムズは何か見えないかと受信用の岩の上に通い詰めた(1枚目の写真)。「あの子は、自分で納得しようと努力してる」。父も変わったものだ。遂に、ジェイムズが3人の所に戻って来る。義母に向かって、「ほんとだと、いいなって思ったんだ、メアリー」。例の日誌の内容についてだ。「ただの お話しだなんて信じたくなかった」(2枚目の写真)。義母は、日誌を必ずしも否定しないように、「見える人と、見えない人がいるの」と慰め、ジェイムズに胸に飛び込まれると、「心の底から愛してるわ」と抱き締める。その時、灯台が点滅し始める。通常の光ではなく、モールス符号になっている(3枚目の写真)。その内容は、「ジェイムズ、悲しまないで。悲しみとは、やり残したことへの自責の念。私は、以前にも増して君のそばにいる。愛の絆は続くのよ。いつも、一緒にいるわ。前と同じように話しかけなさい……さようなら。また、会いましょう、ジェイムズ」。受信用の岩の上でマディに向かって腕を広げるジェイムズ(4枚目の写真)。最後の「灯台通信」が現実か幻かは別として、神秘性を残した不思議な終わり方だ。
  
  
  
  

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